不祥事のあとのはじまり

4月25日午前3時7分のタイムスタンプで、トレンドマイクロ社から「ウィルスパターンファイルに関する問題のお詫びとご報告」と題したメールが届いていた。
メールの内容と他の報道を参照しながらまとめると

  • 4月23日午前7:33〜午前9:02の間にPCの電源が入っていて、かつ、自動更新または手動更新でウィルスパターンファイルをダウンロードした
  • 検索エンジンのバージョンが 7.51 または 7.50
  • Windows XP SP2 または Windows Server 2003 のどちらかの環境
という条件が揃ったPCが被害にあったということのようである。
(ワタシがPCを立ち上げてネットで検索をしていたのは 9:02 よりもう少し遅い時間だったようにも思うが、まぁ多少の時間差はあるのだろう。でも、問題修正済みのパターンファイルは23日午前10:51に公開、とのことなので、9:02 から 10:51 までの間がどうだったのかがよくわからない)


で、事故を引き起こした原因は

  • Windows XP SP2 ではテストを全く実施していなかった
  • Windows XP SP2 以外の環境では、古いエンジン(7.50よりも前)を使ったテストしか実施しなかった
とのこと。つまり、土曜日であったということに加えて、Windows XP SP2 または Windows Server 2003 でのみ発生するという不具合だったためこの程度?で済んだとも言えるだろう。


4月23日午後6時頃から翌深夜1時30分過ぎまで断続的に7時間超続くという異例の長さとなったトレンドマイクロ社の記者会見では

「現在,チェック・プロセスは“半自動”である。自動化している部分もあるが,人に頼っている部分――メンバーのスキルに任せている部分――もある。今回のようなヒューマン・エラーによるミスを防ぐために,プロセス全体を自動化するようにする」 (上級セキュリティエキスパート 黒木直樹氏)
「障害の原因となっているパターンファイルのダウンロード件数はおよそ17万件なので,20万枚のツールCD-ROMを用意して,全国的に配布する予定だ」 (執行役員日本代表 大三川彰彦氏)
「会社のリソースを100%使ってでも,今回の問題に対応する。情報はすべてオープンにする。隠すようなことは一切しない。新しい情報が明らかになれば,逐次公開していく」 (代表取締役CFO マヘンドラ・ネギ氏)
といった言葉があったという。
“100%のリソースを投入して解決”…本当にそのようであって欲しいと思う。