虚と実

ライブドア:世界一狙い「虚業」 違法も二人三脚MSN毎日インタラクティブ


ライブドア堀江社長の逮捕を受け、「虚業」「錬金術」といった言葉が電波や紙面を飛び交っている。


風説の流布や粉飾決済があったのであれば、それは罰せられなければならない。
しかし、堀江社長達の行為と、それによって規模の拡大を見せてきた関連会社の存在すべてを「虚業」と言うなら、「そもそも時価総額って何よ?」とワタシなどは思ってしまう。
“額に汗してモノを作って働いてお金を得るのがまっとうだ”的な論調には、「それなら株取引の利益って何?あなたは株を持っていないわけ?売り買いしてないの?」と問いたい。
証券市場の活性化のために新興企業や個人投資家の参入を歓待したのは誰だったのか。


目に見えるものが実業だとするならば、政治はある意味その対極にある(政治は産業ではないが)。
そして、堀江社長は、昨年その政治という領域に近づいた。
いま、人が「虚業」と呼ぶものの実体が彼らや彼らの会社だとすれば、それらのものと政治とは、何がどのくらい似通っているのだろうか。


船川淳志氏のコラム 「イノベーターへの道」第8回・マスコミこそクリシンを! の中に『「理を求めて、利を追わず」』というフレーズがあった。
理とは何か? 理のない利とは?
虚業と実業のちがいについても、同じようにもう一度きちんと考えてみなければ、と強く思う。