情報耐性?

(前略)

梅田:これからいろんなことを考えていくうえでは、いつもグーグルとの関係を考える必要が出てくるのだけれど、そんな社会はけしからんと思う人が結構いる。でも、もうしょうがないわけですよ。「嫌なことを書かれているページがグーグルで上位に来るからとんでもない」と怒っている有名人がいるんだけど、それはあなたが出している情報が少ないからそういうものが上にくるのであって、毎日毎日ブログを書いて、それを全部公開していけば、自然に悪口なんか下のほうに行くから。

茂木:ネット社会のおもしろいところは、今までと比べて情報量がものすごくて、プラスとマイナスが入り乱れているんで、昔だったら致命傷になったようなことも、むしろその人の個性が光と影のコントラストで際だつんですね。

梅田:そうそう。だから本に対しても、ネガティブな反応、ポジティブな反応、両方がちゃんとあって、それが全部検索エンジンから引っかかってくるというのが、健全な状態です。負のリアクションに対する耐性をつけることが、すごく大事になってくるんです。

(後略)

茂木健一郎ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、脳科学者)、梅田望夫(ミューズ・アソシエイツ代表、はてな取締役)
AERA 2006.8.7「脳とネットは共に進化する」対談 茂木健一郎×梅田望夫 より
この対談、とても面白く読みました。


世の中のすべての人が生きるためにネットを必要としているわけではない…なんて考え始めると
『それはあなたが出している情報が少ないから』
と言われると
『なんでそんなこと(悪口に対抗する?)のためにネットに書き込みしなきゃいけないわけ?』
と返す人もいそうな気がしますが(笑)、“情報は発信した人のところに集まる”という真理は、ネット上だけのものではないですよね。
それに、情報を発信する人は、悪口が挙がる前からすでに自分の知をオープンにしているわけで。


そんなことを思うと、梅田さんの
『負のリアクションに対する耐性をつけることが、すごく大事になってくる』
という言葉がとても響いてきます。


できれば、“耐える”というスタンスではないカタチで自分の中に取り込んでいければなぁ、と思います。