人として

朝9時30分過ぎ、高校グリー顧問指揮者先生からケータイ宛にメールを受信。
現役は今日から新潟で夏合宿だが、その宿泊先に向かうバスの車中からのメールである。


そっかぁ、これから合宿かぁ…と思いつつメールを見ると…その内容に唖然。


「周年事業で制作した記念誌の制作費として予定していた予算が、諸事情により30万から10万になった。ついては、OB会で追加支援を検討して欲しい。」


はぁ?何それ?OB会で20万円出せってこと?
今頃何寝ぼけたこと言ってんだよ。


今回のプロジェクトでは、定演への財政支援(会場費20万円負担)、記念誌への資金援助(学校で制作する印刷物なので、メインは学校予算の30万〜そもそも顧問指揮者先生がご自身で定義した金額〜だが、それを超えるスペック分の約8万円はOB会で負担すると取り決めた)、CD制作(約60万円弱)、祝賀パーティーの開催(先生・現役の招待を含み、約65万円)、現役への楽譜ホルダーの寄贈(10万円)等々、事前に入念な資金計画を立て、OBにも寄付を募り、定演出演者からは参加費を徴収し、CDは販売し、パーティ会費も若干高めに設定して必死に収入を確保してきた。
この期に及んで、記念誌への追加支出、しかも20万円を出せるとしたら、これらの予算はザルだったことになる。事務局長として、多額の寄付を頂いた多くのOB諸氏に申し開きができない。


「こちらも、9月の文化祭の予算3万円を充当し、(印刷会社への)支払いを10月まで待ってもらうことにした。」


ばかめ。そのお金はCD代に充当すべきものとしてOB会ですでに予算計上している。以前から自分でそう言っていたはず。


「次期楽譜集の制作のためにストックしている20万円を切り崩しても良いのだが、複雑な思いがある。」


はぁぁぁぁぁ???
五月雨式に届く原稿、度重なる仕様変更、膨大な量の校正、工程の組み直し、印刷直前ギリギリまでの確認調整(以上のほとんどは定演パンフの制作〜つまり学校側の守備範囲領域〜で発生していたはず)、しかも定演パンフと記念誌の同時進行…今回の印刷会社さんの仕事は例年の何倍も大変な作業だった。彼らの献身的な努力なくして、期限までに成果物は出来上がらなかった。
その状況を知り、かつ支払い可能な原資が手元にありながら、サービスの対価に対して理不尽な減額を要求し、加えて他人に援助を求める…これはもう、人の道をはずれた行為であろう。


「加えて、定演回りの印刷物(チケット、チラシ、パンフレット)の印刷費が総額42万円余りに及んでしまい、現在印刷会社さんに相談して30万円に圧縮をお願いしている」


おいこら!ちょっと待て!
学校側で制作した定演回りの印刷費については減額の交渉を進めておきながら、なぜ記念誌については請求額満額のままなわけ?
定演回り、記念誌ともに予算超過しているのだから、印刷会社さんからの請求総額42万+37万=79万に対する減額交渉をするのが筋じゃないの?




最後の最後にきて、こんな仕打ちを受けるとは思わなかった。
が、まずは状況確認をと思い、印刷会社の営業さんに連絡を入れ、金額交渉の細かなプロセスやホンネの部分での見積希望額などを確認。のちに先生に長文の抗議メールを送るとともに、事情と自分の考え(20万円全額を拠出させる代わりに、OB会からも5万円だけ追加出資する)を添えたメールをお昼過ぎにプロジェクトメンバー全員に送信。
すると、半日の間にメンバーほぼ全員から怒りのメールが寄せられた。この状況であれば、誰でも怒って当たり前である。そして、幸いなことに、メンバーもワタシの考えに賛同してくれた。
(ここでOB会が更なる出資をするいわれはないのだが、印刷会社さんの仕事に“オール母校”として少しでも報いたいということ)
また、先生の思いを邪推すれば、この時期になってこんなことを言ってくるということは、『いよいよとなれば自分の虎の子の20万円を出さざるをえないが、ダメモトでOB会の温情にすがろう』という小賢しい計算が透けて見える。


とにかく、ここはお互いにできる精一杯の誠意を印刷会社さんに示さなければならないと思う。
週明けに先生が合宿から戻ったら、プロジェクト側の総意を伝えて、このつまらない事態にケリをつけたい。