我慢しながら一歩前に出るということ

実は彼はケッコー独り言をしゃべっている。
(おマエに言われたくはない、と言われそうですが)
でもそれは、ほとんどが誰かや何かに対する文句である。
今日の夕方も、お客様からのとあるお申し込みに端を発して「××するなよぉ」と始まった。
独り言だから大声ではない(笑)。なので正確なところはわからないが、おそらくは前任者に対する文句であろう。
断片的にしか見ていないが、ワタシの想像通りだとすれば、本を正せば悪いのは不完全な商品を企画して作りっぱなしにしていた前任者である。
そして、不幸にもその商品の担当を引き継いでしまったために今回の課題が降りかかってきた、という点では同情できるところもないではない。
彼は前任者と電話で話をしているが、おそらくはのらりくらりとかわされているのであろう、との想像もつく。


でも。
であればなおのこと。
今感じる自分の想いを主体的かつポジティブにその商品に注げば良いはず。
「こんな不完全な商品をこのまま世に出していてはいけない」と一旦ご破算にすることだってあって良い(むしろそうすべきと思う)。
でも彼は、いつぞやと同じように「どうしましょう」とマネジャーの指示を仰いでいた。


今日、ワタシは彼に対する言葉を呑み込んでしまった。おそらく、その時に話し始めたら前任者に対することばかりを口にしていたかも知れない、と今にして思う。
その点では、この時に口を出さずにいて良かったと思うが、でもその一方で、言わなければならない別のことを言わずにきてしまったことへの後悔は残る。


彼には昨晩ワタシからひとつの投げかけをした。
そして今日、彼はまた別の新たな課題を持つことになった(はずである)。
ワタシは今日、自分が持っていた課題のいくつかを整理することができた。
そしてまた、彼と同じく新たな課題を持った。


でも敢えて言うが、ワタシの課題はワタシが自ら設定して自らに課した課題である。