同じ地平

講師との打合せが19時30分頃に終わり、自席に戻ると、派遣さん2人がまだ仕事をしていた。
「今日は夕方から打合せで席を外すので、キリの良いところで帰ってもらっていいですからね。」と言っておいたのだが。


確かに今の時期の仕事量は多いのだが、過度の負荷はかけないで欲しい…そう思いながら、改めて「ありがとうございます。もう遅いからホントに仕事切り上げてね。」と2人に声をかけた。
1人の派遣さんはにっこりと笑って小さく頷いた。
もう1人の派遣さんは「はい、でも大丈夫です。ちょうど今終わるところです。」と言い、続けて「今日はこんなに入力したんですよ。」と処理済の帳票の束を見せてくれた。




そうだったのか。


今頃になって、彼女たちの仕事のスタンスの一端を見た思いがした。
でも、それは今のワタシにとってはプリミティブすぎる領域で、素直に喜ぶことはできなかった。


ワタシはお礼を言って頭を下げた。
彼女たちは程なく仕事を切り上げて帰宅の途についた。




立場とキャリアの違いと言ってしまえばそれまでなのかも知れない。


喜ぶことができないのは、悲しいことのような気がする。
しかし一方で、自分の偽らざる気持ちも捨てたくはない。


このギャップを埋めるには、少し時間がかかりそうだ。